JICA草の根技術協力事業(パートナー型)
未利用資源の活用によるムジンバ県の小農の農業収入向上支援

プロジェクトを実施する場所

皆さん、こんにちは。

現在私たちは、プロジェクトの最初の段階として、プロジェクトを実施する場所を検討しています。この最初の段階でミスをすると、プロジェクト全体が頓挫してしまう可能性があるぐらい重要な部分になります。

説明会の実施

場所決めには相当な時間をかけました。知らない土地で知らない外国人がいきなりプロジェクトを始めたとしても、地域の住民は誰も振り向きません。まずは県の農業オフィス、その後は地域の農業普及局員、有力者向けに説明会を開きました。私達のこと・プロジェクトのこと・し尿分離型ドライトイレ(以下トイレ)とはどのようなものなのか・地域の住民にどんなメリットがあるのかを説明して回りました。ここで承認が下りて初めて、住民への説明会を開くことが可能になります。

住民への説明会は同じ地域で何度も繰り返し実施しました。普通であれば一度で十分かと思いますが、ここマラウイでは一度で地域の住民すべてに情報が行き渡ることはとても難しいことです。現在多くのマラウイ人が携帯電話を持っていますが、マラウイでは停電が頻繁に発生します。電気の通っていない村もあるため、携帯電話が充電できず電話がかけられません。電波も田舎に行けば行くほど安定しません。そのため、人から人への情報伝達にとても時間がかかります。このプロジェクトでは誰もが参加できるよう機会均等を心がけています。何度も説明会を開くことで、後で説明会に気づいた住民にも参加の機会を提供できるようにしました。

説明会で強調したのは、トイレ建設に必要な資材費(約2万円)は、皆さん自身で負担してくださいねという点です。住民がトイレ建設に必要な費用を賄うことで、彼らの自立を促し、プロジェクト終了後も永続的にトイレを使い続けてもらうのが狙いです。

説明会を通して多くの住民がトイレ、そして私たちのプロジェクトに興味をもってくれました。時には村の保健担当者(政府から任命を受けて村で住民の健康状態をチェックする人)にも参加してもらい、彼ら自身から衛生に良いトイレを建設すべきだと住民に促してくれました。

農業普及局での説明会


農村住民への説明会


住民の自宅訪問

何度目かの説明会を開いた後、プロジェクトに興味を示した住民の自宅を訪問しました。現在使用しているトイレの状況、どんな作物を栽培しているのか、家畜は持っているのか、1ヶ月の支出はいくらか、灌漑農地はあるのかなどを調査しました。この調査の目的は、住民が資材費を捻出できるかどうか確認することでした。こうした調査を繰り返すことで、プロジェクトに参加したいと言う熱心な住民を見つけることができました。

現時点で費用を捻出できないがトイレに関心を持ってくれた住民とも継続して関わりをもち、人間のし尿以外の未利用資源を住民と見つけ出し、できることから少しずつ暮らし向上を実現していきたいと考えています。

住民の自宅訪問、聞き取り調査を実施