JICA草の根技術協力事業(パートナー型)
未利用資源の活用によるムジンバ県の小農の農業収入向上支援

【市場調査トレーニング】農家さん向け6つのトレーニングの実施

皆さん、こんにちは。

今回は農家さん向けに実施したトレーニングについてお話したいと思います。

私たちのプロジェクトの流れは、

UDDT(エコサントイレ)を建設する

市場調査などのトレーニングを実施する(JICAのSHEP アプローチを採用。マラウイではMASHEPと呼ばれています。)

SHEPアプローチについてはこちら

農家さんによる市場調査の実施

市場調査を受けて決めた作物を作るための作物生産トレーニングの実施

肥料が出来上がれば肥料を使って作物を生産、販売になります。

今回は、この中の市場調査などを含めたトレーニングを、Mthwalo地域にて実施しました。

トレーニングの内容は、Marketing、Visioning、Gender Balance Tree、Record Keeping、Crop Calendar、Group Dynamicsと豊富な内容となっています。

Marketingでは市場調査の方法を学びます。どういった方法で調査を実施するのか、どういったアプローチで買い手さんに質問するのかなどが含まれます。

Visioningでは2~3年後、自分達がどうなっていたいかを考えます。日本では当たり前のように考える将来について(例えば、自分の家を建てたいから毎月貯金をしようなどビジョンを持つこと)が、マラウイの人にとっては難しいことがあります。今日食べるものを買うことができるかどうかも分からない彼らにとっては、貯金をする、計画を立てて何かをするということまで考えられません。Visioningでは個人・グループとしてこうなりたいというビジョンを持ってもらうだけでなく、プロジェクト終了後も彼らの生活がより改善されていくことを目的にしています。

左端の丸枠は現在の状態、右端の丸枠は3年後どうなっていたいかを示してます。この人の場合は、車や新しい家畜の購入、家の建て替えなどをビジョンにしています。

 

Gender Balance Treeではジェンダーに関係なく夫婦・子供たちなど家族が仕事を分け合い協力することの重要性を学んでもらいます。今回のトレーニングでは、女性からの意見として男性の方がお酒を飲み過ぎているのでやめてもらう、男性からの意見として、女性の方が仕事の量が多いからもっと男性も仕事をするべきだという意見が出ました。

Gender treeの根っこの部分は男女それぞれの活動(女性なら洗濯、食事を作るなど)、枝部分はどういったことにお金を使うのか(お酒を買う男性など)、幹の部分はどういったことに決定権があるのか(男性はどんな作物を植えるのか決定権があるなど)を示しています。

Record Keepingは簡単に言うと家計簿をつけましょうというものです。マラウイの人は家計簿をつける習慣がないため、支出・収入ともに把握していない人がほとんどです。私たちのプロジェクトの最終目標は農家さんの収入向上になりますが、支出・収入を把握していないといくら収入が向上したのか分かりません。また、Visioningと合わせて、支出を把握することで将来のために節約や貯金を心がける人が増えることが狙いです。

Crop calendarでは様々な作物の植え付け、種まき、収穫時期、販売する時期などを把握して、作物を育てることを学びます。

Group Dynamicsでは、グループで活動することの重要性、良いリーダーとはどんな人なのか、良いリーダーをどう選ぶのかなどを学びます。

私たちプロジェクトからは特にグループで活動することを求めてはいませんが、こちらのグループもグループとして活動することにとても意欲的で、Kapokolo グループという名前もつけてくれました。

1 日に渡るトレーニングを終え、来月にはグループのメンバー何人かで市場調査を実施する予定です。

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