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地球環境学堂が共催するシンポジウム『アジアの温室効果ガス排出ネットゼロにむけた公正な移行』の開催

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 地球環境学堂は、Team Sustainability Transition Research Asia (STRA), 地球環境戦略研究機関(IGES)、環境経済・政策学会(SEEPS)と共催で、2026年3月6日に、シンポジウム『アジアの温室効果ガス排出ネットゼロにむけた公正な移行』を開催しました。本シンポジウムは、環境経済・政策学会設立30周年記念シンポジウムの一環として、IGES本部とオンラインで開催されました。
 本シンポジウムは、温室効果ガス排出ネットゼロに移行(トランジション)を進化させる過程で生じている「公正でない移行」を取り上げ、この課題にどのように取り組むべきかに関する議論を深めることを目的として開催しました。ネットゼロ排出への移行が深まるにつれ、移行の影響は国内にとどまらず、鉱物資源を含めた国際的なサプライチェーンやそれを通じた他国の温室効果ガス排出、エネルギー安全保障にも影響を及ぼすようになっています。この点を踏まえて、本シンポジウムは、国際的な公正に焦点を当てた議論を行いました。
 本シンポジウムは、2部構成で開催しました。第1部は日本語セッションで、再生可能エネルギーや電気自動車の生産と消費を急速に高めてきた中国を取り上げ、その急速な普及が国内外の経済及び温室効果ガス排出に及ぼした影響を議論しました。森 晶寿(京都大学)によるTeam STRAの10年間の持続性移行研究の回顧と今後の研究展望の後、堀井伸浩(九州大学)が、続いて藤川清史(愛知学院大学)及び伴ひかり(神戸学院大学)が中国の電力部門における電源構成の変化による国際的な炭素漏出の推計結果を、王 嘉陽・渡辺隆俊(愛知学院大学)が中国の電力・モビリティ移行が国内外の経済及び炭素排出に及ぼした影響の推計結果を報告しました。
 第2部は英語セッションで、ネットゼロ排出への移行の国際的な不公正への対処策を、国際サプライチェーン、気候安全保障、ファイナンスの観点から議論しました。ヌキ・アグヤ・ウタマ(ERIA エネルギー政策ディレクター/アジア・ゼロエミッションセンター所長)によるアジアの公正なネットゼロへの移行の現状と展望を述べ、その後、キーリー・アレクサンダー竜太(九州大学)が製鉄工法の転換を事例に国際サプライチェーンへの影響を述べ、ナンダ・クマール ジャナルダナン(IGES)がエネルギー移行と気候安全保障の相乗効果を強調し、森 晶寿(京都大学)が日本の事例に基づいて金融機関のビジネスモデル革新と金融システムの転換の必要性を提示しました。
 本シンポジウムには139名が参加し、ネットゼロへの移行と国際的な公正の両立方法や、アジアで公正な移行へのファイナンスを確保する要件等の質疑と議論を行いました。