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6月21日(土)に「PFAS問題」に関するセミナーが地球環境学堂で開催されました。

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 2025621日(土)午後、地球環境学堂および環境技術学会の主催で、「PFAS問題基礎から研究最前線まで」のセミナー(環境技術学会第3回技術セミナー)が開催されました。PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)で代表される化学物質群で、撥水性・撥油性などの特異な性質により1940年頃より様々な用途で使われてきました。しかし、2000年頃より有害性が指摘され、徐々に製造等の規制が進められ、ついに環境省は、水質検査をはじめ、基準となる数値を超えた場合の改善を法律で義務づける方針を決めました。本セミナーでは、PFASの研究に長らく関わってこられた先生に、その基礎から研究最前線までをご講演いただきました。

 まず、藤井滋穂 環境技術学会 学術委員会委員長(京都大学名誉教授、現滋賀県琵琶湖環境科学研究センター・センター長)の開会の挨拶で始まり、原田浩二 京都府立大学生命環境科学研究科教授による「PFASの毒性・問題の経緯と近年の動向」、田中周平 地球環境学堂准教授による「PFASおよび関連指標の分析法と最新研究」、 藤川陽子 複合原子力科学研究所教授による「PFASの処理・処分特性と最新研究」と、3つの講演が続きました。その後、3講師をパネリスト、 西村文武 工学研究科教授を座長として、総合討論が行われました。

 京都大学総合研究5号館2階の地球環境学堂大講義室を会場とし、Zoomによるオンライン配信を併用したハイブリッドでセミナーは実施されました。参加者数は、会場が約80名、オンラインが80名の合計160名で、各講演、総合討論とも、会場、オンライン、講師らとの間で活発な質疑がなされました。なお、会場は当初、地球環境学堂大講義室(写真1)のみを予定しましたが、参加者数が増えたため、同教室隣の地球環境学堂中講義室を、第2会場(写真2)として使用しました。

 セミナー終了後、実際のPFAS分析の方法を見学するツアーを企画し、会場参加者から希望者を募りました。その結果、会場参加者の大半が希望したので、全体を4班に分けて実施しました。見学場所は、総合研究3号館の地階と2階で、環境調和型産業論分野の実験室です。見学は約30分間の内容で、PFAS分析の前処理、PFAS分析機器(LC-MS/MS)、さらにその他の実験装置を、それらの実験に携わる学生および田中准教授による説明で行われました。

 見学の後は、京都大学正門横のカンフォーラで、須戸幹 滋賀県立大学環境科学部教授の司会のもと、情報交流会を開催し、約40名が参加しました。まず、藤井学術委員会委員長の開会の挨拶があり、続いて、尾崎博明 環境技術学会長の乾杯で開宴となりました。その後、セミナー講師・座長と参加者の間で活発な情報交流がなされました。最後は、当セミナーで幹事長役を務めた日高平 地球環境学堂准教授の閉会の辞で、会は閉じられました。

 

写真1 メイン会場(大講義室)で熱心に講演を聴く参加者

写真2 第2会場(中講義室)の様子